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腰の辛さ

「朝起きたときに腰が痛い」「長時間立っていると腰がだるくなる」「くしゃみで腰がギクッとなった」
腰の痛みは、年代や生活スタイルを問わず多くの方が抱える身近な不調です。
しかし一言に“腰痛”といっても、その原因はさまざまで、筋肉・神経・関節・姿勢など多くの要素が関わっています。

今回は、整骨院で対応可能な腰に関する主な疾患や症状について、わかりやすく解説していきます。

  • 腰痛が慢性化している/繰り返している
  • 脚のしびれや脱力感が出てきた
  • 朝起きたときや長時間の座位で腰がつらい
  • スポーツで腰を痛めた
  • ぎっくり腰を何度も起こしている

① 一般的な腰痛(筋筋膜性腰痛・姿勢性腰痛)

概要:
明確な疾患名がつかない、筋肉・靭帯・筋膜の緊張や使いすぎによる痛み。腰痛患者の大半がこのタイプです。

症状の特徴:

  • 重だるさ・鈍痛・コリ感が続く
  • 同じ姿勢が続くとつらくなる
  • 温めたり休めると軽くなる傾向

こんな方に多い:

  • デスクワークや長時間運転
  • 姿勢が悪い(猫背・反り腰)
  • 運動不足による体幹筋力の低下

② 坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)

概要:
腰からお尻、太もも・ふくらはぎ・足先へと伸びる「坐骨神経」が、何らかの原因で圧迫・刺激を受けて起こる症状。

症状の特徴:

  • お尻〜太もも〜足先にかけてのしびれや痛み
  • 長時間歩けない/立ち止まると楽になる(間欠性跛行)
  • 冷え感や感覚の鈍さ、力の入りにくさを伴うことも

原因の例:
腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などが主な原因になります。

③ 腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)

概要:
背骨のクッションである「椎間板」が後方に飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こします。

症状の特徴:

  • 腰の鋭い痛みと脚への放散痛
  • 前かがみになると悪化する
  • くしゃみ・咳で響くような痛み

こんな方に多い:

  • 20〜40代の男性に多い
  • 長時間の座り作業・重量物を扱う方
  • 急な負担や外傷が引き金になることも

④ 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)

概要:
脊柱管(神経の通り道)が加齢などで狭くなり、神経を圧迫することで症状が出る疾患。中高年に非常に多い腰痛原因のひとつです。

症状の特徴:

  • 腰痛に加え、脚のしびれ・脱力感
  • 少し歩くと痛みやしびれ→休むと楽になる(間欠性跛行)
  • 後ろに反ると悪化/前かがみになると軽減

こんな方に多い:

  • 50代以降の方、特に男性
  • 長年の腰への負担・姿勢不良がある方

⑤ 腰椎分離症(ようついぶんりしょう)

概要:
腰椎(主に第5腰椎)に疲労骨折のようなひび(分離)が入る状態。成長期にスポーツで繰り返し反る・捻る動作をすると発症しやすくなります。

症状の特徴:

  • 腰の奥が痛む/運動後に悪化
  • 特に後ろに反ると痛みが出る
  • 運動を休むと改善するが再発しやすい

こんな方に多い:

  • 中高生のスポーツ選手(野球・バレーボールなど)
  • 柔軟性が低く、反り腰傾向のある子ども

⑥ 腰椎すべり症(ようついすべりしょう)

概要:
腰椎の位置がズレて前方に滑ってしまう状態。分離症が進行したタイプと、加齢による変性すべり症の2つがあります。

症状の特徴:

  • 腰痛と脚のしびれが混在
  • 長時間立っていられない/腰が抜けそうになる
  • 脊柱管狭窄症と似た症状も多い

こんな方に多い:

  • 高齢者、特に女性に多い
  • 分離症の既往がある方

⑦ ぎっくり腰(急性筋筋膜性腰痛症)

概要:
重い物を持ち上げた・くしゃみをしたなど、急な動作が引き金で起きる急性の腰痛。筋肉や靭帯が捻挫のような状態になることで痛みを生じます。

症状の特徴:

  • 突然の鋭い腰の痛み/動けなくなる
  • 体を伸ばす・前かがみで激痛
  • 熱感・張り・筋肉のこわばりが出る

こんな方に多い:

  • 運動不足の方/中腰姿勢が多い方
  • 季節の変わり目や気温の急変時に多い

⑧梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)

概要:
お尻にある「梨状筋(りじょうきん)」という筋肉が、すぐ下を通る坐骨神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こす状態です。
坐骨神経痛と非常に似た症状を呈しますが、原因が腰椎ではなくお尻の筋肉にある点が特徴です。

症状の特徴:

  • お尻の奥の痛み・鈍痛
  • 太もも〜ふくらはぎへの放散痛やしびれ
  • 長時間座ると悪化/立って動くとやや軽減
  • 正座や階段で痛みが増すことも

原因の例:

  • 長時間の座り作業や車の運転
  • スポーツでの股関節酷使
  • 骨盤のゆがみや片足荷重の癖

当院での対応:
梨状筋の緊張緩和と周囲の筋バランス調整、骨盤〜股関節の歪みを整える施術が効果的です。

⑨仙腸関節障害(せんちょうかんせつしょうがい)

概要:
骨盤の中心にある「仙腸関節」は、上半身と下半身のバランスを取る大事な関節です。ここに微細なズレや不安定性が起こると、腰やお尻に局所的な痛みが出ることがあります。

症状の特徴:

  • 腰の片側だけがズキッと痛む
  • 起き上がりや寝返りで腰に鋭い痛み
  • 妊娠中・産後に悪化することも多い
  • 仙骨周囲を押すと強い圧痛がある

こんな方に多い:

  • 妊婦さん・産後の女性
  • 片足に体重をかける立ち方の癖がある方
  • 重たい荷物を日常的に扱う方

当院での対応:
仙腸関節の調整、骨盤周囲の筋緊張の緩和、再発予防のための骨盤エクササイズを行います。

⑩骨盤のゆがみによる腰のだるさ・左右差

概要:
日常生活の姿勢や動作のクセにより、骨盤に左右差やねじれが生じると、腰周りの筋肉に片寄った負担がかかるようになります。
これが慢性腰痛や“左右どちらかだけがつらい”感覚の原因になることも多いです。

症状の特徴:

  • 常に腰がだるい/片側だけつらい
  • 仰向けや座ると骨盤の傾きが気になる
  • 脚の長さに違いがあるように感じる
  • 生理痛が重くなる方にも多い傾向

原因の例:

  • 足を組む、カバンを片側にかける習慣
  • 片足立ち・姿勢のクセ
  • 出産後の骨盤不安定性

当院での対応:
骨盤の傾き・ねじれを整え、筋肉のバランスを再調整。日常のクセの見直しもサポートします。

⑪姿勢・体幹バランスの崩れによる腰痛(反り腰・猫背など)

概要:
長時間のデスクワーク、スマホ姿勢、筋力低下などにより、体の軸(体幹)が崩れると、腰に負担が集中するようになります。
「腰が悪いのではなく、姿勢が崩れていることが腰痛の根本原因」になっているケースも多いのです。

症状の特徴:

  • 反り腰・猫背・片側重心の癖がある
  • 立っていると腰が痛くなる/疲れやすい
  • 腹筋や背筋の弱さを感じる
  • 肩こりや首の痛みも同時にあることが多い

当院での対応:
全身の姿勢評価・骨盤〜背骨のバランス調整・インナーマッスル活性化の運動指導などを行います。

腰の痛みやしびれは、単に「腰そのものの問題」ではなく、筋肉・関節・骨盤・神経の複合的なバランスの乱れが関係している場合がほとんどです。

整骨院では、そうした筋骨格系のバランスを手技療法を中心に整えることに特化しています。
また、再発しない体づくりのために、姿勢改善やセルフケアの提案まで含めて総合的にサポートしています。

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