股関節
「立ち上がるときに股関節が痛い」「長時間歩くと脚の付け根がだるくなる」「靴下を履きにくい」
そんな日常の動作で股関節に違和感や痛み、引っかかりを感じていませんか?
股関節は体の中心に近く、全身の動きと密接につながっているため、不調が出ると日常生活に大きな支障をきたします。
加齢・姿勢不良・筋力のアンバランス・スポーツによる酷使など、さまざまな要因が重なって症状があらわれるのが特徴です。
今回は、股関節にまつわる主な疾患や不調について、わかりやすくご紹介します。
こんな症状でお悩みではありませんか?
- 股関節の前側や外側に痛みがある
- 階段の上り下りや立ち上がりで痛む
- 歩いていると片足だけ疲れやすい
- 股関節の可動域が狭く、足が開きにくい
- 腰や膝にも負担を感じるようになった
首の痛み・つらさの主な原因と考えられる疾患
① 変形性股関節症
概要:
股関節の軟骨がすり減ることで炎症が起き、痛みや変形を伴う慢性疾患。先天的な股関節の発育不全や加齢が主な原因です。
症状の特徴:
- 脚の付け根やお尻に痛みがある
- 歩くと痛むが、休むと和らぐ
- 股関節が開きにくくなり、正座やしゃがむ動作がつらい
- 進行すると脚の長さが変わることも
こんな方に多い:
- 先天性股関節脱臼の既往がある方
- 40代以降の女性
- 長年立ち仕事や重労働をしてきた方
②股関節インピンジメント(FAI)
概要:
股関節の骨同士がぶつかり、動かすたびに痛みや可動制限が出る状態。スポーツをしている若い方に多く見られます。
症状の特徴:
- 股関節の前方に痛みがある
- 深くしゃがむ、脚を外にひねる動きで悪化
- 動かすと「引っかかる」「詰まる」ような感覚
こんな方に多い:
- サッカー、ダンス、野球など脚を大きく使うスポーツをしている方
- 10〜30代のアスリート
- 股関節の柔軟性が高すぎたり、逆に硬すぎる方
③ 臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)
概要:
股関節の受け皿(臼蓋)が浅いため、骨頭が不安定になりやすく、関節にかかる負担が大きくなる状態。
症状の特徴:
- 歩行や立ち座りで違和感や痛み
- 長時間立っているとだるくなる
- 片側の股関節だけ疲れやすい
- 変形性股関節症の前段階として見つかることも
こんな方に多い:
- 先天的に股関節が浅い方(特に女性)
- 出産歴のある女性
- 家族に股関節の問題がある方
④ グローインペイン症候群(鼠径部痛症候群)
概要:
鼠径部(そけいぶ:脚のつけ根)に慢性的な痛みが生じる疾患。スポーツ選手に多く、筋・腱の炎症が原因です。
症状の特徴:
- 股関節の前〜内側にかけての痛み
- キック動作や切り返し動作で悪化
- 安静にすると軽減するが、再開すると再発しやすい
こんな方に多い:
- サッカー、ラグビー、陸上などの競技者
- 骨盤周囲の筋力バランスが乱れている方
⑤ 坐骨神経痛・腰椎からの関連痛
概要:
腰椎(腰の骨)や椎間板の問題から神経が圧迫され、股関節周囲にも痛みやしびれが広がる状態。
症状の特徴:
- お尻〜太もも裏にかけてのしびれ・だるさ
- 同時に腰にも重だるさを感じる
- 長時間座る・立つ姿勢で悪化する
こんな方に多い:
- 腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の既往がある方
- デスクワークや長時間運転をしている方
股関節だけの問題とは限りません
股関節の痛みや動きづらさは、骨盤のゆがみ・体幹の筋力低下・姿勢の崩れなど、全身のバランスが深く関係しています。
また、膝や腰、足首との連動性が悪くなると股関節への負担が増し、痛みの悪循環につながることも。
当院では、股関節だけをみるのではなく、体全体の動き・筋力・生活習慣にまで目を向けて、根本的な改善と再発予防をサポートしています。