膝の辛さ
膝は「立つ・歩く・座る・階段を上る」など日常のあらゆる動きに関わる重要な関節です。
そのため、膝に不調があると生活の質が大きく低下し、将来的な歩行能力にも影響します。
ここでは、多くみられる膝のトラブルと、患者さんによくあるお悩みについて詳しく解説します。
こんな症状でお悩みではありませんか?
- 階段の昇り降りや正座がつらい
- 長く歩くと膝が痛くなって休みたくなる
- 朝起きたときや立ち上がるときに膝がこわばる
- スポーツの後に膝の内側やお皿の下が痛む
- 成長期の子どもが膝の痛みを訴えるようになった
- 膝の内側が腫れたり、熱を持った感じがある
- 曲げ伸ばしをすると引っかかるような違和感がある
- O脚やX脚が気になってきた/将来が不安
- 痛みはないが膝に違和感があり、今後のためにケアしたい
- 膝を気にせずに運動や旅行を楽しみたい!
首の痛み・つらさの主な原因と考えられる疾患
① 変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
概要:
関節軟骨がすり減り、骨の変形や炎症が起こることで痛みが生じる疾患。中高年、特に女性に多い。
症状の特徴:
- 階段の昇り降りがつらい
- 膝がこわばる、腫れる
- 正座ができない、歩きにくい
- O脚気味になることが多い
原因とリスク要因:
加齢・肥満・長年の負担・姿勢不良など
当院での対応:
炎症の緩和、筋肉のバランス調整、膝に負担をかけない歩き方・姿勢指導などで改善を図ります。
②ランナー膝(腸脛靭帯炎)
概要:
太ももの外側にある「腸脛靭帯」が膝の骨とこすれて炎症を起こす障害。走る・跳ねる動作が多い人に発生します。
症状の特徴:
- 膝の外側に鋭い痛みが出る
- 走行中、特に下り坂や長距離で悪化
- 安静にすると軽くなるが、再発しやすい
原因:
ランニングフォームのクセ、筋力不足、股関節〜膝の連動不良など
③ オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)
概要:
成長期の子ども(特に男子)に多い膝下の痛み。太ももの筋肉がすねの骨を強く引っ張ることで、膝下が盛り上がり痛みが出る状態です。
症状の特徴:
- 膝下の骨が突出して痛む
- ジャンプ・ダッシュで悪化
- 成長が止まると自然に軽快することが多いが、早期ケアが重要
④ 成長痛(成長期の膝の痛み)
概要:
明確な損傷がないのに、成長期の骨や筋肉のバランスの乱れによって膝や脚に痛みが出ることがあります。
症状の特徴:
- 夜になると膝が痛む
- スポーツの後に痛みが出やすい
- マッサージや温めで軽快する
当院での対応:
過度な負担を避けながら、柔軟性と筋バランスの改善、正しい身体の使い方を指導します。
⑤ ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
概要:
膝のお皿の下にある腱(膝蓋腱)に炎症が起こるスポーツ障害。ジャンプや踏み込み動作の繰り返しが主な原因です。
症状の特徴:
- 膝のお皿のすぐ下が痛む
- 動き始めやジャンプ直後に強く痛む
- スポーツ時に限定されることが多い
⑥ 半月板損傷(はんげつばんそんしょう)
概要:
膝関節内にあるクッション(半月板)が損傷した状態。ねじれ・圧迫などの急な負荷で傷つきます。
症状の特徴:
- 曲げ伸ばしの時に引っかかりや痛み
- 「膝が抜ける・カクンとなる」
- 腫れや水がたまることもある
原因:
スポーツ外傷、加齢によるすり減りなど
⑦ 靭帯損傷(前十字・内側側副靭帯など)
概要:
膝の安定性を保つ靭帯が、外傷や過度な負荷で損傷する状態。スポーツ外傷としてよくみられます。
症状の特徴:
- 膝がグラつく、踏ん張れない
- 急に「ブチッ」と音がして痛みが出た
- 腫れや熱感、内出血
当院での対応:
受傷直後は整形外科との連携を行い、回復期・リハビリ段階で整骨院の施術が有効です。
⑧ 鵞足炎(がそくえん)
概要:
膝の内側にある3つの筋肉の腱が重なる部分「鵞足(がそく)」に炎症が起こる状態。ランナーや膝をよく使う人に多いです。
症状の特徴:
- 膝の内側の下あたりが痛む
- 階段やしゃがむ動作で悪化
- 太ももや股関節の柔軟性低下が背景にある
膝に関係する「脚のゆがみ」も腰や股関節に影響!
①O脚(がに股)
概要:
膝をそろえても足の間にすき間が空く状態。内側に体重がかかりやすく、変形性膝関節症のリスクが高まります。
原因の例:
- 骨盤や股関節のゆがみ
- 筋力不足(内転筋・ハムストリング)
- 脚の使い方のクセや歩き方
当院での対応:
骨盤・股関節〜膝のアライメント調整、筋バランス改善、歩行指導など
②X脚(内股気味)
概要:
膝はつくが、足首がつかない状態。外側に体重がかかりやすく、膝の外側や足首への負担が増える傾向があります。
原因の例:
- 遺伝的要因+筋肉のアンバランス
- 内股歩行、猫背姿勢
- 成長期に起こる軽度のX脚もあり
当院での対応:
骨盤・股関節〜膝のアライメント調整、筋バランス改善、歩行指導など
膝の症状、放っておかずに早めの対処を
このようなお悩みをお持ちの方も、早めのケアや身体の使い方の見直しによって、症状の改善・進行予防が期待できます。
特に、初期の段階で対処することが将来的な変形や手術の予防にもつながります。