冷え性
冷え性とは、体の一部(特に手足・下半身)が慢性的に冷たく感じる状態を指します。
特に女性に多く、約7〜8割の女性が冷えを自覚しているというデータもあります。
- いつも手足が冷たい
- 生理痛やPMSが重い
- 胃腸が弱く、お腹が冷えやすい
- 寒くなると眠れない
- むくみやすく、肩こり・頭痛もつらい
これらの症状の多くが、「冷え」を根本に持っている可能性があります。
冷え性は、ただの“体質”ではなく、体内の巡りや自律神経の乱れからくるサインです。
冷えを根本から改善し、体の芯から温かくなるためのヒントを、東洋医学的な視点や鍼灸施術の内容とともにご紹介します。
冷え性の原因
血流不足・自律神経の乱れ
血流不足・自律神経の乱れ
- 運動不足による筋力低下(血液を送る“ポンプ”が弱る)
- ストレス・不規則な生活で自律神経が乱れ、血流が悪くなる
- 睡眠不足・過労による体温調節機能の低下
ホルモンバランスの変化
- 女性ホルモンの乱れ(月経不順、更年期)
- 妊娠・出産による体内環境の変化
食生活・生活習慣
- 冷たい飲み物・甘い物の摂りすぎ
- 体を冷やす食べ物(生野菜・果物)の過剰摂取
- 薄着・締めつける服・冷房による冷え
体質的な要因
- 低血圧・貧血
- 胃腸虚弱・代謝低下
- 遺伝的要素や幼少期からの冷え体質
東洋医学でみる「冷え性」
東洋医学では冷え性を「陽虚(ようきょ)」「気血不足」「瘀血(おけつ)」といった体質の乱れと捉えます。
主な冷えタイプ(東洋医学的分類)
タイプ | 特徴・症状 |
---|---|
陽虚タイプ | 全身が冷える/寒がり/疲れやすい/むくみがち |
気虚タイプ | 気力がない/息切れ/胃腸が弱くお腹が冷える |
瘀血タイプ | 手足が冷たく肩こり/顔色が悪い/月経痛が強い |
気滞タイプ | ストレスで冷える/自律神経の乱れ/イライラ |
東洋医学では、「気・血・水」の巡りを良くすることで、冷えを根本から改善します。
冷えタイプ別の体質改善鍼灸
- 陽虚・気虚:温灸を中心に「補う」治療
- 瘀血・気滞:巡りを促進する「通す」治療
- 女性特有の冷え(生理不順・更年期):ホルモンバランスを整える施術
温灸(お灸)・遠赤外線の併用
- お腹・腰・足先を温めることで、血流改善+自律神経の安定を図ります
- 「冷えは万病のもと」と言われるように、お灸は冷え改善に非常に有効です
自宅でできる冷え性セルフケア
「温活」のすすめ
- 湯たんぽ、レッグウォーマー、腹巻を活用
- シャワーではなくぬるめの湯船に15分以上浸かる習慣を
食事で内側から温める
- 【体を温める食材】:しょうが、にんじん、かぼちゃ、ねぎ、黒豆、みそ汁
- 【避けたい食材】:冷たい飲み物、生野菜、白砂糖、果物の食べすぎ
適度な運動で筋力アップ
冷えやすい人ほど筋肉量を増やすことが大切
ウォーキング・スクワットなどで下半身を鍛えると、血液を末端に送る力が高まる
冷え性は「体質」ではなく「状態」
冷え性は「我慢するしかない」と思われがちですが、しっかりケアすれば改善が可能な症状です。
鍼灸によって体質を整えることで、体の芯からあたたかくなる感覚を実感していただけるはずです。
女性はもちろん、近年は男性や若年層にも冷えが増えています。
冷えを放っておかず、まずは小さなケアから始めてみましょう。