不妊症とは、「妊娠を希望し、避妊せずに1年以上夫婦生活を続けているにもかかわらず妊娠しない状態」を指します(日本産科婦人科学会定義)。
年齢や体調、生活習慣、精神的ストレスなど、さまざまな要因が関与しています。

「なかなか妊娠できない…」
「病院に通っているけれど、結果が出ない…」

そんな悩みを抱える方が年々増えてきています。
不妊治療は、身体的・精神的にも負担が大きく、時には出口の見えないような思いをされる方も多いでしょう。

今回は、不妊症の原因や西洋医学での定義に加えて、整骨院・鍼灸による東洋医学的なアプローチについて詳しく解説します。

不妊の原因は女性側だけでなく、男性側にもあることがわかっており、次のような要因が関係します。

【女性側の原因】

▶ 排卵障害

  • ホルモンバランスの乱れ(高プロラクチン血症、PCOSなど)
  • 極端なダイエット、ストレス、睡眠不足による機能低下

▶ 卵管因子

  • 卵管の閉塞・狭窄(クラミジア感染後遺症など)
  • 卵管采の癒着により卵子をうまく取り込めない

▶ 子宮因子

  • 子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ
  • 子宮奇形による着床障害

▶ 加齢

  • 35歳を過ぎると卵子の質・数ともに低下傾向に

男性側の原因

  • 造精機能障害(精子の数・運動率の低下)
  • 精路通過障害(精子の通り道がふさがっている)
  • 勃起障害(ED)、射精障害

その他

  • 原因不明(約10〜15%):検査では異常が見つからず、明確な理由がないが妊娠しないケース
  • 生活習慣:喫煙、過度な飲酒、睡眠不足、冷え、ストレスなど

東洋医学では「子宝は体全体の調和の結果」とされ、妊娠力は五臓六腑のバランス、特に「腎・肝・脾」の働きと深く関係しています。

  • 腎虚(じんきょ):生殖機能やホルモンの源。腎の弱りは卵巣機能の低下や無月経、精子数の低下に関係。
  • 肝鬱(かんうつ):ストレスによる気の巡りの滞り。排卵やホルモン分泌のリズムが崩れやすい。
  • 脾虚(ひきょ):胃腸の働きが弱く、栄養が体に行き渡らない。子宮や卵巣への血流不足に。

「冷え」「血の滞り(瘀血)」も大きな妨げとなります。

鍼灸による体質改善

当院では、以下のような施術を組み合わせて、妊娠しやすい体づくりをお手伝いしています。

■ 月経周期に合わせた施術(周期療法)

月経期、卵胞期、排卵期、黄体期に分け、それぞれのフェーズに合ったツボと施術を行います。

  • 月経期:血の巡りを整える(例:血海・三陰交)
  • 卵胞期:卵子の質を高める(例:腎兪・太谿)
  • 排卵期:気の流れをスムーズに(例:肝兪・蠡溝)
  • 黄体期:着床をサポート(例:脾兪・関元)

■ 使用する主なツボ

  • 三陰交(さんいんこう):婦人科系全般に有効
  • 関元(かんげん):子宮・腎の働きを高める
  • 腎兪(じんゆ):精力・ホルモンの源
  • 太谿(たいけい):温めて腎のエネルギーを補う
  • 中極(ちゅうきょく):子宮の機能を整える

骨盤矯正・自律神経調整

骨盤のゆがみは、子宮・卵巣の位置や血流に影響します。
また、自律神経が乱れるとホルモン分泌にも支障が出るため、首肩・背中の緊張も合わせて調整します。

◆ 温活(お腹・足元を冷やさない)

腹巻、湯たんぽ、足湯で下半身を温めましょう。
冷えは子宮の血流を悪くし、着床や排卵に悪影響を与えます。

◆ 食生活の見直し

  • 鉄分・たんぱく質・ビタミンEを意識
  • 甘いもの・カフェイン・冷たい飲み物は控えめに
  • 「温める食材」:しょうが、にんじん、黒ごま、小豆など

◆ 睡眠とリズムのある生活

ホルモンは主に夜間分泌されるため、22時〜2時のゴールデンタイムに睡眠を取るのが理想です。

◆ ストレスケア

過度な妊活ストレスは逆効果になることも。軽い運動、音楽、自然に触れるなど、心をリセットする時間を大切に。

人に話しづらい内容も、当院では国家資格を持ったスタッフが丁寧に対応いたします。
女性スタッフも在籍しておりますので、お気軽にご相談ください。

TOP/コラム/症状別のお悩み